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コラム

【業種別】工場の臭い対策とは?基本的な流れから業種別の事例まで

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目次

「工場の臭い対策にはどのような方法が効果的なのだろう」

「工場から発生する臭いが近隣からの苦情や作業環境の悪化につながっているが、具体的にどう対応すべきか分からない」

「自社の業種に適した臭気対策を知りたい」

工場における臭気問題は、業種や製造工程によってさまざまな原因があり、それぞれに適した対策を講じる必要があります。工場の臭気は製造物や原材料、排水、排気ガスなど多様な要因から発生し、法規制や企業イメージにも直結する重要な問題です。

本記事では、工場で発生する臭いの主な原因から、業種別の具体的な対策方法、そして実施手順まで詳しく解説します。また、消臭剤の活用や活性微生物製剤による排水処理安定化など、設備に依存しない実践的な対策についてもご紹介します。

自社の状況に合った方法を検討し、効果的かつ持続可能な臭気対策を進めていきましょう。

工場で発生する臭いの主な原因

工場における臭気問題を解決するためには、まず臭いが発生する原因を正確に把握することが重要です。工場の種類や製造工程によって臭いの原因はさまざまですが、主な発生源を体系的に理解することで、効果的な対策につながります。

製造工程で発生する排気・蒸気による臭気

工場内の機械や設備から発生する排気ガスや蒸気に含まれる揮発成分や臭気物質が、臭気の主要な発生源となります。

たとえば、加熱処理や乾燥工程では、原材料から揮発性有機化合物(VOC)が発生し、これらが臭気の原因となることがあります。適切な換気や消臭装置の導入に加え、薬剤を活用した対策を組み合わせることで、工場内の作業環境を改善しつつ、外部への臭気拡散を防ぐことが可能です。

製造工程で発生する臭気は、その濃度や成分によって対策方法が異なるため、まずは臭気の質と量を把握することから始める必要があります。

揮発性物質や有機溶剤による臭い

印刷工場や塗装工場で使用される有機溶剤、化学工場で取り扱われるアンモニアやアルデヒド類など、業種特有の成分に由来する臭気は、しばしば強い刺激臭を伴います。

これらは揮発性が高く、わずかな量でも強い臭いを発することがあるため、発生源での対策が重要になります。臭いの強さや揮発性の程度によって、必要な対策の難易度も変わってきます。こうした臭気は、労働安全衛生法の管理濃度基準にも関わるため、法令に準拠した管理が求められます。

微生物の活動による腐敗臭

各種工場の排水処理施設では、微生物の働きによって排水中の有機物が分解されていますが、酸素が不足すると嫌気性細菌が優勢になり、硫化水素やメチルメルカプタンなどの強い臭気物質が発生します。

このような現象は、食品工場をはじめ、製紙・化学・飲料工場など多くの業種の排水処理施設に共通して見られる課題です。硫化水素は悪臭防止法の特定悪臭物質22物質の一つに指定されており、さらに労働安全衛生法に基づく「作業環境評価基準」では管理濃度が1ppmと定められています(参考:厚生労働省「作業環境測定基準」)。また、酸素欠乏症等防止規則では、硫化水素濃度10ppm以下の環境維持が求められています(参考:厚生労働省「酸素欠乏症等防止規則」)。排水処理の安定化や臭気対策には、換気設備に加えて活性微生物製剤の活用も有効です。

原材料や廃棄物からの臭い

ゴム工場の原料臭、製紙工場のパルプ製造時に発生する硫黄系化合物など、原材料自体が持つ臭いも工場臭気の大きな要因となります。

また、製造過程で発生する廃棄物が適切に管理されていない場合、腐敗や化学反応によって二次的な臭気が発生することもあります。原材料や廃棄物の保管方法、処理のタイミングなども臭気対策において重要な要素です。

工場の臭いが引き起こすトラブルと影響

臭気対策を怠った場合に発生する具体的な問題を理解することで、対策の重要性がより明確になります。工場の臭いは、従業員への影響から地域社会との関係、さらには法的リスクまで、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。

従業員の健康影響と生産性低下

工場内で発生した悪臭は、従業員に頭痛、めまい、吐き気といった不快症状をもたらすことがあります。

硫化水素の場合、労働安全衛生法に基づく「作業環境評価基準」で管理濃度1ppmという基準が設けられており、これを超えると健康被害のリスクが高まります。たとえ疾病が顕在化しなくても、不快な臭いは集中力の低下や作業効率の悪化につながり、生産性の低下や離職率上昇の一因となり得ます。労働環境の改善という観点からも臭気対策は重要です。

近隣住民からの苦情と企業イメージの悪化

令和5年度の悪臭に関する苦情総数は全国で11,735件でした。そのうち、悪臭防止法の規制地域内の工場・事業場に対するものは4,171件(全体の35.5%)、規制地域外の工場・事業場に対するものは1,434件(同12.2%)であり、工場・事業場関連の苦情は全体の約半数を占めています(参考:環境省「令和5年度悪臭防止法等施行状況調査の結果について」)。

工場からの臭気が原因で近隣住民から苦情が寄せられると、周辺住民や地域との関係が悪化し、操業継続が難しくなる可能性もあります。現代では、SNSなどによる情報拡散で、レピュテーションリスクが以前より高まっており、一度失った信頼を回復するには多大な時間とコストがかかるため、予防的な対策が肝要です。

法令違反による罰則リスク

悪臭防止法では、特定悪臭物質22物質に基づく規制と、臭気指数による規制が定められています。違反した場合には改善勧告、改善命令を経て、最終的に罰則が科される可能性があります。

さらに、都道府県や市町村によっては、国の基準よりも厳しい上乗せ基準を設定している場合もあるため、事業場が立地する地域の規制内容を正確に把握しておく必要があります。法令違反は、罰則だけでなく、操業停止命令や企業の社会的信用の失墜につながるリスクもあるため、コンプライアンスの観点からも適切な対策が求められます。

工場種別にみる臭気の特徴と対策方法

主要な工場種別ごとに、発生する臭気の特徴と効果的な対策方法を詳しく解説します。業種によって臭気の発生メカニズムや必要な対策が異なるため、自社の業種に応じた適切な対策を選択することが重要です。

製紙工場の臭気対策

製紙工場では、クラフトパルプ製造時に発生する硫黄系化合物による高濃度臭気が特徴的です。

パルプ製造工程で使用される苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)と硫化ナトリウムが主な原因となり、硫化水素などの硫黄化合物ガスが発生します。とくに板紙工場では、省エネ・省コスト対策として進む白水の循環利用や余剰汚泥の原料化により、嫌気性細菌による硫化水素や揮発性脂肪酸(VFA)の発生リスクが高まっています。

効果的な対策方法として、以下が挙げられます。

  • 薬液洗浄法:臭気物質と薬液を接触させ、化学的中和や酸化反応により無臭化

  • 密閉化:発生源を密閉し、臭気の拡散を防止する局所的な対策

  • 消臭剤併用:薬液洗浄と消臭剤噴霧を組み合わせて高い消臭効果を実現

  • UFB技術+薬剤:ウルトラファインバブルと消臭剤の併用で白水の好気条件を長時間維持

これらの技術により、製品臭気の防止とドライヤー排気臭気の低減を同時に実現することが期待できます。

食品工場の臭気対策

食品工場では、原料の加工・調理過程での臭いと排水の腐敗臭が主な問題となります。

とくに発酵食品や肉・魚介類を扱う工場では、製造工程で発生する臭気に加え、排水処理施設での嫌気性細菌による腐敗臭も問題になりやすいという特徴があります。排気ダクトに対する対策が中心となりますが、製造設備内での対策を検討する場合は、食品への影響を十分に考慮する必要があります。

効果的な対策として、以下が挙げられます。

  1. 排水処理設備の適正管理(曝気量の調整、pH管理、薬剤による安定化)
  2. 原料の温度管理による腐敗防止
  3. 調理排気の消臭処理(活性炭吸着、薬液洗浄、消臭剤噴霧)
  4. 定期的な清掃・洗浄による臭気発生の予防

化学工場の臭気対策

化学工場では、多様な臭気物質への対応が必要となります。

アンモニア、アルデヒド類、有機溶剤など、製造する製品によって臭気物質の種類が大きく異なるため、それぞれの物質特性に応じた対策が求められます。複数の臭気物質が混在する場合も多く、単一の対策では不十分なケースも少なくありません。

主な対策方法としては、次のような選択肢があります。

  

対策方法

適用対象

メリット・デメリット

燃焼装置

有機溶剤全般

高い除去率を実現できるが、設備・運転コストが高い

活性炭吸着

低濃度臭気

幅広い物質に対応可能だが、定期的な交換が必要

複合型消臭

複数の臭気物質

多様な臭気に対応できるが、運用が複雑になりやすい

これらの設備対策に加え、薬液洗浄や消臭剤の活用により、設備では取り切れない臭気を補完的に抑制することも有効です。現場の条件に合わせた複合的な取り組みが重要となります。

金属加工工場の臭気対策

金属加工工場では、鋳造時の焦げ臭や切削油の劣化臭が主な原因となります。

鋳型に溶けた金属を流し込む際、熱によって鋳型樹脂が分解し、焦げたようなツンとする強い臭いが発生します。また、切削油は使用を続けるうちに嫌気性細菌が繁殖し、腐敗臭を生じやすくなります。

対策のポイントは以下のとおりです。

  • 局所排気による臭気の集中除去

  • 切削油の適切な管理(定期交換、薬剤による制御)

  • ミスト回収装置の設置

  • 消臭剤噴霧による臭気低減

臭気対策の具体的な実施手順

効果的な臭気対策を進めるためには、体系的なアプローチが必要です。

以下では、計画的に進めるための手順例をSTEP形式でまとめます。

STEP1:現状調査と臭気測定

まずは現状を正確に把握することから始めます。

臭質の特定、発生源の把握、臭気指数・臭気濃度の測定など、以下の項目について調査を実施します。

  • 臭気発生源の特定(どの工程・設備から発生しているか)

  • 臭質の分析(どのような種類の臭いか)

  • 臭気強度の測定(臭気指数、臭気濃度)

  • 発生パターンの把握(時間帯、頻度、季節変動)

  • 気象条件の確認(風向、風速の影響)

これらの調査結果をもとに、対策の優先順位を決定します。

STEP2:影響評価と目標設定

臭気の影響度を客観的に評価する指標として「OER(臭気排出強度)」があります。

OERは「臭気濃度×排気風量」で算出され、臭気の拡散範囲や影響度を把握する際に用いられます。臭気濃度が高くても排気風量が少なければ影響は限定的であり、逆に臭気濃度が低くても排気風量が多ければ広範囲に影響を及ぼす可能性があります。

この評価結果をもとに、達成すべき目標値を設定します。

STEP3:対策方法の選定

代表的な消臭方法の特徴を比較し、最適な対策を検討・選定します。

    

対策方法

初期コスト

ランニングコスト

除去効率

適用条件

薬液洗浄

酸性・アルカリ性臭気

活性炭吸着

低濃度有機溶剤

燃焼装置

80-99%※

高濃度有機溶剤

生物脱臭

中~高

硫化水素、アンモニア

消臭剤噴霧

広範囲の臭気

※燃焼装置の除去効率は80~99%とされています

対策方法を選定する際、設備対策は有効ですが、実際には、薬剤による対策から始めることで以下のようなメリットが得られます。

  • 初期投資を抑えつつ、効果を確認してから段階的に対策を強化できる

  • 季節変動や生産量の変化に応じて、柔軟に使用量や薬剤を調整できる

  • 大掛かりな設置スペースが不要で、既存設備にそのまま適用しやすい

  • 効果が不十分な場合でも、別の薬剤への切り替えが容易

  • 何よりも、設備導入には数か月を要するのに対し、薬剤は即時対応が可能

とくに小規模〜中規模の施設では、薬剤中心のアプローチで十分な効果が得られる場合も多く、大規模施設では薬剤と設備を組み合わせた段階的導入が合理的です。

まずは薬剤で効果を確認し、必要に応じて設備導入を検討するという段階的アプローチが、リスクを抑えながら確実な成果を得るうえで合理的です。

STEP4:対策導入と効果検証

選定した対策方法は、段階的に導入しながら効果を確認することが重要です。まずは小規模な試験導入を行い、臭気の変化や運用上の課題を確認します。その後、必要に応じて適用範囲を広げたり、複数の手法を組み合わせたりして、現場に適した対策を整えていきます。

  • 試験導入による効果測定

  • 季節や生産量の変動への対応検討

  • 必要に応じた追加対策や設備の導入

このように段階的に進めることで、過剰な投資を避けながら効果的な臭気対策を実現できます。導入後は継続的に効果を検証し、状況に応じて調整を行うことが大切です。

STEP5:定期評価・臭気モニタリング

導入した対策の効果は、定期的な評価を通じて効果を確認することがポイントになります。

最近では、IoT技術を活用した臭気モニタリングシステムの導入により、臭気状況を常時把握し、異常を早期に検知することも可能になっています。定期的な評価とモニタリングを組み合わせることで、臭気対策を長期的に安定させることができます。

臭気対策における注意点とポイント

効果的な臭気対策を実施するうえで、押さえておくべき重要なポイントを解説します。

費用対効果を考慮した段階的な対策

臭気対策は、トラブル発生による大きなコストを防ぐための予防・軽減費用と捉えることが重要です。

OERの高い発生源から優先的に対策を実施し、小規模な試験的対策で効果を確認することで、過剰な投資を避けながら効率的に改善を進められます。段階的なアプローチにより、費用対効果を最大化しつつ、効果的な対策を実現できます。

予防的な対策の重要性

製造品目や原材料の変更時には、事前に臭気発生リスクを評価することがポイントです。

日常的な清掃・メンテナンスの徹底や従業員への臭気管理教育に加え、工程の見直しによる発生源の削減なども、根本的な解決策として有効です。

継続的なモニタリングと改善

定期的な評価やモニタリングを行うことで、臭気対策を長期的に安定させることができます。IoT技術を活用した監視システムを導入すれば、臭気状況の常時把握や異常の早期検知も可能です。

季節変動への対応、製造条件変更時の影響確認など、継続的な管理により安定した臭気対策を維持することが可能です。PDCAサイクルを回すことで、より効果的な対策へと改善していくことができます。

周辺住民や地域とのコミュニケーション

環境対策への取り組みや環境報告書の公開など、積極的な情報発信・開示は地域との信頼関係の構築につながります。

問い合わせや苦情が発生した場合に備え、担当窓口や対応フローを明確化しておくことが望まれます。

苦情を受けた際には、迅速かつ誠実な対応を心がけることが重要です。また、日常的に地域からの声を収集し、必要に応じて対策に反映する仕組みを整えておくことで、潜在的なトラブルを未然に防ぐことが可能になります。

工場の臭気対策でお悩みなら無臭元にご相談ください

無臭元は、60年以上にわたり臭気対策と排水処理対策の実績を積み重ねてきた、薬剤を活用したソリューションの提供を得意とする企業です。

消臭剤や活性微生物製剤、その他製剤を組み合わせた豊富な製品ラインナップにより、お客さまの工場が抱える臭気トラブルの解決に最適なソリューションを提供します。民間工場向けには「ムシュウゲンシリーズ」の消臭剤、「メルトラーゼシリーズ」の活性微生物製剤など、現場の状況に応じた幅広い製品をご用意しています。

たとえば、硫化水素への対策にも対応可能であり、現場ごとの課題に応じて適切な方法をご提案します。

さらに、排水処理と臭気対策を組み合わせた総合的なアプローチにより、課題の改善と持続的な運用の支援を行います。現場調査から対策提案、導入後のフォローアップまで、継続的なサポート体制でお客さまの工場の安定操業を支えます。

工場の臭気対策でお困りの際は、豊富な実績と確かな技術力を持つ無臭元へお気軽にご相談ください。

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