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コラム

排水処理におけるSS(懸濁物質)とは?原因・除去方法・薬剤対策をわかりやすく解説

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目次

工場や事業場などからの排水には、「懸濁物質(SS:Suspended Solids)」が含まれています。SSは、水質汚濁防止法でも規制される項目であり、水質管理や排水処理における重要な指標です。また、臭気発生や処理施設への負荷を引き起こす原因にもなります。

SSを適切に除去することで、法令遵守だけでなく、環境保全や設備の保護、事業者の信頼向上にもつながります。

本記事では、SSの基礎知識から主な発生要因、除去手法、薬剤や活性微生物製剤などを活用した実効的な対策まで、排水処理の現場で役立つ内容を詳しく解説します。

SSとは?排水処理における基本知識

SS(Suspended Solids)は水中に浮遊・分散している不溶性の粒子物質の総称です。日本語では「懸濁物質」と呼ばれ、報告書などではこちらの表現を用いるのが通例となっています。

SSには以下のような物質が含まれます。

  • 有機系固形物(生物由来の物質、食品残渣など)
  • 無機系固形物(土砂、金属粒子など)
  • その他の微細粒子固形物(繊維、プラスチック片など)

SSとは、通常、粒径1.2μm以上のろ紙で捕集される懸濁性物質を指し、微細な粒子状物質が該当します。これより明らかに大きなもの(例えば数mm以上)は、一般に「夾雑物」や「粗大物」として扱われ、SSとは区別されます。

SSの測定方法と単位

SSは、水をろ過して残った物質の重量を測定することで求められます。単位はmg/L(ミリグラム/リットル)で表され、1リットルの水中に含まれるSSの重量を示します。

測定方法の手順は以下のとおりです。

  1. 孔径1μmのガラス繊維ろ紙を使用
  2. 一定量の試料水をろ過
  3. ろ過後のろ紙を105~110℃で乾燥
  4. 乾燥後の重量増加分からSS濃度を算出

この測定方法は、JIS K 0102(工場排水試験方法)に規定されており、公定法として広く採用されています。

SSと濁度の関係

SSと混同されやすい指標に「濁度」があります。濁度は水の濁り具合を光学的に測定したもので、SSとは異なる指標です。

ただし、SSが多いほど濁度も高くなる傾向があるため、両者には相関関係があります。現場での簡易的な水質管理では、濁度計を用いてSSの推定を行うこともあります。

濁度測定の利点は以下のとおりです。

  • リアルタイムでの測定が可能
  • 連続監視システムの構築が容易
  • 測定作業が簡便

ただし、濁度からSSを正確に推定するためには、事前に相関関係を把握しておく必要があります。

SS除去が必要な理由

SSが発生する主な原因

排水中のSS(懸濁物質)は、さまざまな要因によって発生します。主な原因を3つに分類して説明します。

① 原材料や製造工程に由来するもの

製造業では、原材料の洗浄や加工工程で多くのSSが発生します。

  • 食品製造業:野菜くずや肉片、調味料の残渣
  • 製紙工業:パルプ繊維、填料、顔料
  • 金属加工業:切削くず、研磨粉、スケール
  • 化学工業:反応生成物、触媒残渣 など

② 排水処理プロセス由来の要因

排水処理施設内でもSSが再発生することがあります。

  • 活性汚泥の流出:沈殿池での固液分離不良
  • フロックの解体:過度の撹拌や薬品不足
  • 微生物の異常増殖:糸状菌によるバルキング現象 など

③ 外的要因(環境要因含む)

季節変動や気象条件もSS濃度に影響を与えます。

  • 降雨時の土砂流入:屋外施設での雨水混入
  • 温度変化:冬季の処理効率低下による汚泥流出
  • pH変動:原水質の変化による沈殿性の悪化 など

SSに限らず、排水処理の状態は環境要因により大きく変化するため、継続的な監視と対策が必要です。

水質汚濁防止法による排水基準

水質汚濁防止法では、SSの一律排水基準として200mg/L(瞬間値)、150mg/L(日間平均値)が定められています。この基準値を超える排水を放流した場合、以下のような措置が取られる可能性があります。

  • 改善命令の発令
  • 操業停止命令
  • 罰則(6か月以下の懲役または50万円以下の罰金)

加えて、都道府県によっては、より厳しい上乗せ基準が設定されている場合もあります。例えば、東京都では業種によって50~100mg/Lの基準が適用される地域があります。

事業者は、所在地の規制値を確認し、確実に遵守することが求められます。

環境への影響

高濃度のSSを含む排水が公共用水域に流出すると、以下のような環境への影響を及ぼします。

水生生物への影響

  • 光の透過を妨げ、水生植物の光合成を阻害
  • 魚類のエラに付着し、呼吸困難を引き起こす
  • 河床や海底に堆積し、底生生物の生息環境を悪化

水質悪化

  • 有機性SSの分解により溶存酸素が消費され、貧酸素状態を引き起こす
  • 富栄養化の原因となり、赤潮や青潮の発生を促進
  • 景観の悪化や悪臭の発生

これらの環境影響は、地域の生態系全体に波及し、漁業や観光業にも被害を与える可能性があります。

排水処理施設への影響

SSを適切に除去しないと、後段の排水処理施設にも悪影響を及ぼします。

主なトラブル例としては以下の通りです。

  • 臭気発生・腐敗促進(配管内でのSSの堆積により嫌気状態となり硫化水素などの悪臭が発生、処理水質の悪化)
  • 処理コスト増・設備劣化(ポンプなどの機械設備の摩耗や故障、生物処理槽での処理効率の低下)
  • 行政リスク・苦情発生(排水基準超過による行政指導、悪臭による近隣住民からの苦情、企業イメージの低下) など

これらの理由から、排水処理の初期段階でSSを効率的に除去することが重要となります。

無臭元では、こうしたSSによる課題に対し、薬剤(凝集剤・pH調整剤)や活性微生物製剤を用いたソリューションの提供を中心に、事業場ごとに固有の状況や実態に応じた改善提案を行っています。とくに有機系排水におけるフロック形成の改善や、沈降性の向上といった支援に強みがあります。

SS除去方法の種類と選定基準

SSの除去方法は、大きく分けて物理的処理と化学的処理があります。それぞれの特徴を理解し、排水の性状や処理目標に応じて適切な方法を選定することが大切です。

物理的処理方法

物理的処理は、SSを物理的な力で分離・除去する方法です。薬品を使用しないため、ランニングコストを比較的抑えやすいという特徴があります。

スクリーン処理

スクリーン処理は、網目状の装置で比較的大きなSSや夾雑物を除去する方法です。処理の最初の段階で行われることが多く、後段の処理設備を保護する役割も担います。

スクリーンの種類と特徴を以下にまとめました。

  

スクリーンの種類

特徴

目開き

バースクリーン

固定式の棒状スクリーン、構造が簡単

5~50mm

ドラムスクリーン

回転するドラム型、自動洗浄機能付き

0.5~10mm

ウェッジワイヤースクリーン

くさび形断面のワイヤー使用、目詰まりしにくい

0.1~2mm

スクリーンの選定では、除去対象物の大きさ、処理水量、設置スペースなどを考慮する必要があります。

沈殿処理

沈殿処理は、重力を利用してSSを沈降させて除去する方法です。沈殿槽で水の流速を遅くすることで、比重の大きいSSが底部に沈降します。

沈殿処理の効率に影響する要因は以下の通りです。

  • SSの粒子径:大きいほど沈降速度が速い
  • 比重差:水との比重差が大きいほど沈降しやすい
  • 水温:低温では水の粘性が高くなり沈降速度が低下
  • 滞留時間:長いほど除去率が向上

微細なSSは沈降速度が遅いため、後述する凝集処理と組み合わせることが一般的です。

浮上分離処理

浮上分離は、SSに微細な気泡を付着させて浮上させ、除去する方法です。油分を含むSSや、比重の小さいSSの除去に効果的です。

加圧浮上法の原理は以下の通りです。

  1. 加圧タンクで水に空気を溶解
  2. 常圧に戻すことで微細な気泡(30~100μm)を発生
  3. 気泡がSSに付着し、浮力により浮上
  4. 水面のスカムを掻き取り除去

浮上分離は、食品工場や石油化学工場など、油分を含む排水の処理に広く採用されています。

化学的処理方法

化学的処理は、薬品を使用してSSの性状を変化させ、除去しやすくする方法です。

凝集沈殿処理

凝集沈殿処理は、凝集剤を添加してSSを大きなフロック(塊)にし、沈降速度を速める方法です。微細なSSの除去に特に効果的で、多くの排水処理施設で採用されています。

凝集剤の種類と特徴は以下の通りです。

無機凝集剤

  • 硫酸アルミニウム(硫酸バンド):pH6.5~7.5で効果的
  • ポリ塩化アルミニウム(PAC):広いpH範囲で使用可能
  • ポリ硫酸第二鉄:pH4~11で使用可能、脱色効果もあり

有機高分子凝集剤

  • アニオン系:負の電荷を持つ、無機凝集剤との併用が効果的
  • カチオン系:正の電荷を持つ、有機性SSに効果的
  • ノニオン系:電荷を持たない、架橋作用でフロック形成

凝集処理の流れを以下に示します。

  1. 急速撹拌(1~3分):凝集剤を均一に混合
  2. 緩速撹拌(10~30分):フロックを成長
  3. 沈殿(1~4時間):フロックを沈降・分離

pH調整もあわせて実施することで凝集効率が向上する場合があります。

中和処理

排水のpHが極端に酸性またはアルカリ性の場合、中和処理によって溶解していた物質が沈殿しやすくなることがあります。

とくに、金属を含む排水では、中和により金属水酸化物が生成・析出し、SSとして除去可能になります。

この中和処理は、凝集処理と組み合わせて行うことが一般的で、適切なpH管理が凝集・沈降効率に大きく影響するため、現場ではpH調整を含むプロセス設計が重要なポイントになります。

微生物製剤によるフロック形成促進

活性汚泥法を採用している施設では、微生物製剤を使用して汚泥の性状を改善し、SS除去効率を向上させる方法もあります。

微生物製剤の効果は以下の通りです。

  • 活性汚泥の健全化:フロック形成を安定させ、沈殿性を向上
  • バルキングの抑制:糸状菌の異常増殖を防止
  • 重金属処理の促進:水酸化物の形成を助け、無機物の処理効率を改善

無臭元では、こうした生物学的な処理支援を強みとしており、製紙工場や下水処理場、乳業など排水処理施設のある各種現場に、ソリューションを提供しています。

各方法のメリット・デメリットと選定ポイント

   

処理方法

メリット

デメリット

適用条件

スクリーン処理

・構造が簡単

・ランニングコスト安価

・微細SSは除去不可

・定期清掃が必要

粗大SSの初期除去に有効

沈殿処理

・薬品不要

・維持管理が容易

・広い設置面積が必要

・微細SS除去は困難

比重の大きいSS向き

加圧浮上処理(DAF)

・油分除去に効果的

・処理時間が短い

・設備費が高い

・電力消費大

油分・軽量SSを含む排水

凝集沈殿処理

・微細SSの高効率除去

・安定した処理性能

・薬剤コスト

・汚泥発生量の増加

幅広い業種に適用可能

活性微生物製剤活用

・環境にやさしい

・汚泥減量効果

・効果発現までに時間が必要

・管理技術が必要

活性汚泥法採用施設に最適

選定時は、処理水量、SS濃度、設置スペース、ランニングコストなどを総合的に検討し、最適な組み合わせを選択することが重要です。

排水処理のSS除去でお困りなら無臭元にご相談を

排水処理におけるSS(懸濁物質)の管理は、水質汚濁防止法などの法令遵守にとどまらず、環境負荷の低減や施設設備の保全といった観点からも極めて重要です。しかし、排水の性状は業種や工程、処理フローなどによって大きく異なるため、最適な対応方法の選定には専門的な知識と経験が必要となります。

無臭元は、60年以上にわたって薬剤や活性微生物製剤の開発・製造および環境衛生ソリューションを提供してきた、排水処理対策と臭気対策に精通した企業です。SSの除去に関しても、豊富な実績とノウハウを持っています。

  • 処理水質・運転条件に応じた薬剤・製剤の選定
  • 微生物の働きを活かした環境負荷の少ない処理提案
  • 凝集性・沈降性の評価を含めた現場調査・診断
  • 臭気や水質トラブルを含めた総合的な改善サポート

とくに、微生物の働きを活用した環境にやさしい処理方法の提案を得意としており、薬品使用量の最適化や汚泥量の低減といった運用コストや環境への配慮にも貢献しています。

また、SS除去だけでなく、臭気対策や水質改善など、排水処理に関する総合的なソリューションを提供できることも強みです。

排水処理のSS除去でお困りの際は、ぜひ無臭元にご相談ください。現場の状況を詳しくヒアリングし、最適な処理方法をご提案いたします。

無臭元へのご相談はこちらから

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