mail

お問い合わせ

box

価格表

note

用語集

tel

03-3890-9156

SHOP

お電話はこちら

受付:月〜金 9:00~17:00 ※休業日を除く

電話ロゴ 03-3890-9156

フォームはこちら

お気軽にお問い合わせください

コラム

食品工場の臭いトラブルを防ぐには?原因から悪臭防止法対応まで

アイキャッチ画像
目次

食品を製造・加工する食品工場では、取り扱う食材や製造工程の特性上、原料由来の臭い、油脂や排水に伴う臭い、加熱・発酵工程に起因する臭いなど、さまざまな臭いが発生します。これらの臭いは、適切に管理されなければ近隣住民からの苦情や従業員の作業環境悪化、悪臭防止法や自治体条例に基づく規制違反による改善命令の対象となる可能性があります。

本記事では、食品工場で発生する臭いの原因から悪臭防止法の規制内容、そして効果的な対策方法まで、体系的に解説します。さらに、HACCPの衛生管理との関連性や実際の対策事例も交えながら、食品工場における臭い問題の解決に向けた実践的な知識をお伝えします。

関連記事:悪臭防止法とは?規制基準や対策方法、改善事例も紹介

食品工場で発生する臭いの原因と種類

食品工場では、取り扱う食材や製造工程によってさまざまな臭いが発生します。臭いの原因を正確に把握することが、効果的な対策の第一歩となります。

ここでは、食品工場特有の臭い発生源について、食材由来、調理・加工工程、排水や廃棄物の3つの観点から詳しくみていきましょう。

食材由来の臭い

食材そのものが持つ臭い成分は、加工や調理の過程で揮発し、工場内外に拡散します。

代表的な食材と主な臭い成分は以下のとおりです。

  

食材の種類

主な臭い成分

特徴

ニンニク・タマネギ

アリシン、硫化アリル

刺激的で強い臭いが特徴。切断・粉砕時にとくに強く発生

魚介類

トリメチルアミン

生臭い、アンモニアの臭い。時間経過とともに増強

肉類

硫化水素、メルカプタン類

腐敗臭に近い臭い、血液や脂肪分の酸化臭も含む。加工・保管時に発生しやすい

発酵食品

酢酸、酪酸、アンモニア

酸っぱい臭いや刺激臭。発酵の進行とともに変化

スパイス・香辛料

エステル類、テルペン類

強い芳香性。少量でも臭いが拡散しやすい

これらの食材を大量に扱う工場では、原材料の搬入から保管、前処理の各段階で臭い対策が必要となります。とくに、カット野菜工場や水産加工工場では、原材料の処理段階での臭い発生が顕著です。

調理・加工工程で発生する臭い

食品の調理・加工工程では、加熱や化学反応により新たな臭い成分が生成されます。

工程別の臭い発生メカニズムは次のとおりです。

フライヤー工程

油で揚げる工程では、高温の油と食材の反応により、アクロレインやアルデヒド類などの刺激臭が発生します。油の劣化が進むほど臭いも強くなる傾向があり、油の管理が臭い対策の重要なポイントとなります。

焙煎・焼成工程

コーヒー豆の焙煎やパンの焼成では、メイラード反応により香ばしい臭いが発生します。適度な香りは製品価値を高めますが、過度に拡散すると近隣への影響が懸念されます。

蒸煮・煮炊き工程

レトルト食品や惣菜の製造では、大量の水蒸気とともに食材の臭い成分が放出されます。とくに、カレーやシチューなどの香辛料を多用する製品では、強い臭いが発生しやすくなります。

発酵工程

味噌、醤油、納豆などの発酵食品製造では、微生物の働きによりアンモニアや有機酸などが生成されます。発酵の進行段階により臭いの質や強度が変化するため、工程管理と臭い対策を連動させることが重要です。

排水・廃棄物から発生する臭い

食品工場からの排水や廃棄物も、重要な臭い発生源となります。

排水処理施設では、有機物を多く含む排水が嫌気状態になると硫化水素が発生し、「腐った卵」のような悪臭の原因となります。とくに、油分を多く含む排水を扱う場合、グリストラップや排水ピットでの臭い発生が顕著です。

食品残渣についても、適切に管理されなければ腐敗が進み、強い悪臭を発生させます。野菜くずや魚のあらなどは、気温が高い時期には迅速な処理と保管場所の管理が不可欠です。

なお、環境対策の一環として、コンポスト化による資源循環を検討する場合は、豊穣元シリーズなどの発酵促進剤を活用することで、堆肥化過程での臭気を副次的に抑制しながら有機性廃棄物の再資源化を図ることも可能です。

食品工場の臭いに関する法規制

食品工場の臭い対策を考える上で、法規制の理解は欠かせません。ここでは、悪臭防止法の概要から規制基準、罰則まで整理します。

悪臭防止法の概要

悪臭防止法は、工場やその他の事業場における事業活動に伴って発生する悪臭について必要な規制を行い、生活環境を保全することを目的として1971年に制定されました。

同法では、2つの規制方法が定められています。

特定悪臭物質規制

アンモニア、硫化水素、トリメチルアミンなど22種類の特定悪臭物質について、物質ごとに濃度規制を行う方法です(参考:環境省「悪臭防止法の概要」)。機器分析により客観的な数値として測定できる利点がありますが、複合臭や未規制物質には対応できない課題があります。

臭気指数規制

人の嗅覚を用いて臭気の程度を数値化する方法で、臭気指数は、臭気濃度を「10×log10(臭気濃度)」で表した数値です。人間の嗅覚の感覚量に対応させた指数で、基準値設定に使われています。複合臭にも対応でき、住民の被害感覚と一致しやすいという特徴があります。多くの自治体で臭気指数規制を採用しています。

どちらの規制方法を採用するかは、都道府県知事または権限移譲を受けた市町村長(政令市や特別区など)が地域の実情に応じて選択します。食品工場では、複合的な臭いが発生することが多いため、臭気指数規制が適用されるケースが増えています。

規制基準と罰則

悪臭防止法では、特定悪臭物質(22物質)または臭気指数のいずれかの方式で、1号基準(敷地境界)、2号基準(排出口)、3号基準(排出水)が定められています。

  

規制基準

規制内容

備考

1号基準(敷地境界)

事業場の敷地境界線での臭気濃度または臭気指数を規制

最も一般的に適用

2号基準(排出口)

煙突などの気体排出口における規制

特定施設で設定

3号基準(排出水)

事業場から排出される排水の規制

特定悪臭物質濃度や臭気指数を指標とし、排出水中の許容値を定める方式がとられます。自治体によっては1号基準をもとに算定する運用もあります。

規制基準値は地域によって異なり、住居専用地域では厳しく、工業専用地域では緩やかに設定される傾向があります。

違反した場合の措置は段階的に行われます。

  1. 都道府県知事(または権限移譲を受けた市町村長)による改善勧告
  2. 従わない場合は改善命令
  3. 改善命令に違反した場合は、悪臭防止法第24条に基づき、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。

(参考:悪臭防止法第8条第2項、第24条)。

食品工場における効果的な臭い対策

食品工場の臭い対策は、発生源対策、拡散防止対策、消臭・除去対策の3つのアプローチを組み合わせることが重要です。

それぞれの対策について、具体的な方法をみていきましょう。

発生源対策

臭いの発生そのものを抑制する発生源対策は、最も根本的で効果的なアプローチです。

原材料管理の徹底

原材料の鮮度管理を徹底し、腐敗による臭い発生を防ぎます。先入れ先出し(FIFO)の原則を守り、適切な温度管理下で保管することが基本となります。とくに魚介類や肉類は、受入れ時の品質チェックと迅速な処理が臭い抑制につながります。

製造工程の見直し

調理温度や時間の最適化により、過度な臭い発生を抑制できます。たとえば、フライヤーの油温を適正範囲に保つことで、アクロレインの発生を最小限に抑えることが可能です。また、密閉型の調理機器を導入することで、臭いの拡散を物理的に防ぐこともできます。

清掃・洗浄の徹底

製造ラインや排水設備の定期的な清掃により、臭いの原因となる汚れの蓄積を防ぎます。とくに、油分が付着しやすい箇所や排水が滞留しやすい場所は、重点的に管理する必要があります。清掃頻度や方法を標準化し、記録管理することで、継続的な臭い抑制が可能となります。

拡散防止対策

発生した臭いが工場外に拡散することを防ぐ対策も重要です。

局所排気装置の設置

臭いの発生源に局所排気装置を設置し、臭気を効率的に捕集します。フード形状や吸引風量を適切に設計することで、作業性を損なうことなく臭いの拡散を防げます。

建屋の密閉化

工場建屋の開口部を最小限にし、臭いの漏洩を防ぎます。搬入出口にはエアカーテンや高速シャッターを設置し、開放時間を短縮することが効果的です。また、建屋内を陰圧に保つことで、臭いの外部流出を防ぐこともできます。

排気口の位置・高さの工夫

排気口を高い位置に設置することで、臭気の拡散希釈効果を高めます。なお、悪臭防止法の2号基準では、拡散計算に基づき、排出口高さ・口径・周辺建物などの条件を考慮して「許容臭気排出強度」を算出します。そのため「高さが必ず有利」とは限らず、周辺環境条件によって評価が変わる点に注意が必要です。

消臭装置・薬剤による対策

各種消臭技術を活用することで、発生した臭いを抑制できます。

ここでは、消臭技術のうち、反応系消臭剤と噴霧系消臭剤の2つのカテゴリーについて紹介します。

反応系消臭剤による根本対策

反応系消臭剤は、臭い成分と直接化学反応を起こし、臭いの原因物質を無臭化または低臭化する薬剤です。主な作用メカニズムには以下の3つがあります。

  • 化学反応:臭い成分と化学的に結合し、別の物質に変換
  • 制菌作用:臭いを発生させる微生物の増殖を抑制
  • 酸化反応:臭い成分を酸化分解して無臭化

反応系消臭剤は、硫化水素などの悪臭に対して高い除去効果が期待でき、適用条件に応じて持続性も優れた性能を発揮する消臭剤です。発生源に直接アプローチすることで、根本的な臭気対策が可能となります。

噴霧系消臭剤による広範囲対策

噴霧系消臭剤は、感覚的中和作用や包摂作用により、低濃度の複合臭気に対して効果を発揮します。敷地境界線での対策や、広範囲における臭気の抑制に適しています。

主な消臭技術の特徴を以下の表にまとめました。

   

消臭技術

原理

適用対象

特徴

活性炭吸着

物理吸着

低濃度・広範囲の臭気

初期コストは低いが、定期交換が必要

薬液洗浄(スクラバー)

化学吸収(酸・アルカリによる中和反応)

酸性臭気・アルカリ性臭気

高濃度臭気に効果的、薬剤補充と設備管理が必要

生物脱臭

微生物分解

有機性臭気

ランニングコスト低、立ち上げに時間を要する

オゾン脱臭

酸化分解

有機性臭気全般

即効性高い、オゾン管理が必要

消臭剤噴霧

中和・マスキング

低~中濃度の複合臭気

即効性高く、柔軟な対応可能。敷地境界や広範囲対策に適する

無臭元では、食品工場向けにもさまざまな薬剤を提供しています。

プラチナTYPE1

排気ダクトへの噴霧などに適した汎用性の高い消臭剤です。高濃度希釈タイプの製品であることも特徴で、コストパフォーマンスにも優れています。たとえば、噴霧装置を排気ダクトに設置し、排出口を通る空気に直接アプローチすることで、幅広い臭気に対応可能です。

ムシュウゲンLシリーズ

高濃度の有機性臭気に対応する液体消臭剤です。希釈倍率の調整により、臭気の強度に応じた柔軟な対応が可能で、即効性にも優れています。

ラバトリアンWPF

複合臭気に効果的な消臭剤で、とくに脱水ケーキなどの廃棄物搬出時の臭気対策に実績があります。トラック荷台への噴霧システムと組み合わせることで、輸送時の不快な臭いの拡散を抑制・低減することができます。

HACCPと臭い対策の関係

食品工場において、HACCPの導入と臭い対策は直接的に同じ仕組みではありませんが、衛生管理の観点から密接に関わっています。両者を統合的に管理することで、食品安全と環境対策の両立が可能となります。

HACCPにおける臭い管理の位置づけ

HACCPシステムでは、一般的衛生管理プログラム(PRP:Prerequisite Programs)の一環として、施設・設備の衛生管理が求められます。臭い管理は、このPRPに含まれる重要な要素のひとつです。

臭いの発生は、多くの場合、以下のような衛生上の問題を示唆します。

  1. 原材料の品質劣化や腐敗
  2. 製造設備の洗浄不足による汚れの蓄積
  3. 廃棄物管理の不備
  4. 排水処理の不適切な管理

これらは食品安全リスクや異物混入リスクにもつながるため、臭気管理の徹底は、HACCPの前提条件を満たす上でも不可欠です。

HACCP導入による臭い対策の効果

HACCP導入により、以下のような臭い対策の効果が期待できます。

作業手順の標準化

各工程の作業手順を文書化し、標準作業手順書(SOP)として管理します。清掃・洗浄作業もSOPに組み込まれるため、臭いの原因となる汚れの蓄積を体系的に防ぐことができます。

記録管理の徹底

温度管理記録、清掃記録、廃棄物処理記録など、HACCPで求められる各種記録は、臭い発生の予防と原因究明にも活用できます。異常な臭いが発生した際、これらの記録を確認することで、迅速に原因を特定し、是正措置を講じることが可能となります。

従業員の意識向上

教育を通じて、従業員の衛生意識が向上します。臭いの変化に敏感になり、異常の早期発見・報告体制が構築されることで、大きな問題に発展する前に対処できるようになります。

継続的改善(PDCA)

定期的な検証と見直しにより、臭気対策も継続的に改善され根本的な解決につながります。

業種別の臭い対策事例

食品工場の種類によって発生する臭いの特性は異なり、それぞれに適した対策が必要です。ここでは、実際の対策事例を紹介します。

  • 排水処理を通じて臭気を抑制した事例

  • 臭気そのものに直接アプローチした事例

の2つに分けて紹介します。

発酵食品製造工場の事例(排水処理による臭気抑制)

発酵食品製造工場では、COD(化学的酸素要求量)1,416mg/Lという高濃度の排水処理が課題となっていました。

活性微生物製剤(メルトラーゼシリーズ)を段階的に導入し、微生物の働きを最適化することで、処理水質を大幅に改善。臭気の主要因となっていた有機物の分解が促進され、硫化水素の発生も抑制されました。

この事例では、薬剤の添加量と添加タイミングを排水の性状に応じて調整することで、安定した処理性能を維持しています。

関連記事:COD(化学的酸素要求量)とは?測定方法と効果的な低減対策をわかりやすく解説

漬物・清涼飲料製造工場での対策(排水処理による臭気抑制)

野菜漬物製造工場

野菜の洗浄・漬込み工程から発生する排水には、高濃度の塩分と有機物が含まれ、特有の発酵臭が問題となっていました。

活性微生物製剤の導入により、塩分環境下でも活性を維持する微生物の働きを活用。排水処理効率の向上とともに、発酵臭の原因となる有機酸の蓄積を防ぎ、臭気の抑制を実現しました。

清涼飲料製造工場

糖分を多く含む排水では、微生物の急激な増殖により処理槽での泡立ちと臭気発生が課題でした。

活性微生物製剤の適用により、糖分の安定的な分解が進み、処理槽での異常発酵と臭気の発生を根本から抑制することに成功しています。

廃棄物搬出時の臭気対策事例(臭気そのものに直接アプローチ)

食品工場から排出される廃棄物の輸送時には、トラックからの臭い漏れが問題となることがあります。

ある工場では、トラック荷台への薬剤噴霧システムを導入。ムシュウゲンH080-TJとラバトリアンWPFを併用することで、複合臭気に対する高い消臭効果を実現しました。

廃棄物の積込み時と搬出時に、消臭剤を噴霧し、臭気の拡散を抑制・低減しています。この対策により、輸送経路での苦情が大きく減少し、ドライバーの作業環境も改善されました。

食品工場の臭い対策は無臭元にご相談ください

食品工場における臭い問題は、近隣住民や地域との関係、従業員の作業環境、法規制への対応など、多方面に影響を及ぼす重要な課題です。本記事で解説したように、臭いの原因は食材、製造工程、排水・廃棄物と多岐にわたり、それぞれに適した対策が必要となります。

無臭元では、60年以上にわたる消臭・水処理技術の蓄積をもとに、食品工場のお客さまに最適なソリューションを提供しています。

無臭元の強みは以下のとおりです。

豊富な製品ラインナップ

プラチナTYPE1、ムシュウゲンLシリーズ、ラバトリアンWPFなど、臭気の種類や発生場所に応じた多様な消臭剤を取り揃えています。即効性を求める場合から、継続的な臭気管理まで、幅広いニーズに対応可能です。

活性微生物製剤による排水処理の安定と臭気対策

メルトラーゼシリーズなどの活性微生物製剤により、排水処理の効率化と臭気の抑制を実現します。省エネルギーとコスト削減を両立させながら、環境にやさしい対策も可能です。

資源循環型製品の開発

豊穣元など、廃棄物の再資源化を促進する製品開発にも注力。食品工場から排出される有機性廃棄物の堆肥化を支援し、循環型社会の実現に貢献します。

専門的な技術サポート

現場の状況を詳しくヒアリングし、臭気の種類や強度、発生パターンを分析します。最適な製品選定から使用方法の指導、効果検証まで、トータルでサポートします。

食品工場の臭い対策でお困りの際は、ぜひ無臭元までお気軽にご相談ください。お客さまの課題解決に向けて全力でサポートいたします。

お問い合わせはこちら