「曝気槽で突発的に泡が大量発生してしまい、処理に支障が出ている」
「製造ラインで気泡混入による不良が増加している」
「発泡トラブルが度々発生するが、どこに相談すればよいかわからない」
こうした発泡トラブルは、水処理施設や製造工場内の排水処理施設において、発泡現象は生産性や品質に大きな影響を与える深刻な問題です。泡のオーバーフローによる設備汚染、処理能力の低下、さらには近隣への環境影響など、さまざまなトラブルの原因となります。
発泡の原因は、界面活性物質や微生物の代謝物、機械的な撹拌条件など多岐にわたり、業種や工程、製造品目によって原因が異なります。その原因を正しく把握せずに対策を行っても、課題の解決にはつながりません。
発泡現象の原因を特定し、適切な対策を実施することで、生産効率の向上、品質の安定化、処理コストの削減、そして安定的な法令遵守が実現できます。
本記事では、発泡現象の主な原因やメカニズムを整理し、業種別の具体的な対策方法まで、現場で役立つ情報を詳しく解説します。
発泡現象とは、液体中に気体が分散して泡(フォーム)が形成される現象を指します。泡は気体を包む薄い液膜から構成され、水と油など液体の性質や成分により安定性が左右されます。
発泡現象が継続的に形成・持続するためには、以下の3つの要素が必要となります。
まず泡の中身となる気体が必要です。水処理施設では、曝気による空気の供給、製造工場内の排水処理施設では、攪拌・ポンプ送液時の巻き込みや化学反応で発生したガスなども該当します。
気体を包み込む液体がなければ泡は形成されません。水処理では、水そのもの、製造業では油性液や樹脂などが泡の母体となります。
泡がすぐに消えずに残るのは、界面活性剤(洗剤成分、タンパク質、油脂など)の働きによって泡膜が安定化されるためです。これらは水の表面張力を下げ、泡を壊れにくくします。
発泡現象の原因は業界や工程、製造品目によって大きく異なります。ここでは業種ごとの発泡現象の原因について詳しく見ていきます。
下水処理施設や製造工場内の排水処理施設といった水処理施設、とくに曝気槽などでは以下のような原因で発泡が発生します。
活性汚泥中で放線菌(Nocardia属、Microthrix parvicella など)といった糸状性細菌が異常増殖すると、粘性の高い茶褐色の泡が大量に発生することがあります。汚泥の滞留時間(SRT)が長期化した場合や、低負荷運転が続いた場合、あるいは水温が低下する冬季に発生しやすくなります。
食品・工場や化学工場などのから排出される排水に含まれる脂質・タンパク質は、界面活性作用を持ち、泡立ちしやすい性質があります。とくに製造品目の切り替えや洗浄工程の実施時に、一時的に高濃度の油脂分が流入することで急激な発泡を引き起こすことがあります。
製造工程での洗浄や、工場内の設備清掃に使用される合成洗剤が排水処理施設に流入すると、泡が長期間残りやすくなります。難分解性の界面活性剤は生物処理での分解除去が困難で、二次処理や膜処理に後段の処理工程まで影響を及ぼす場合ケースがあります。
ここからは製造工場内にある排水処理施設で発生する発泡現象の原因を業界別に紹介します。
食品製造業では、原材料や製造品目によって排水性状が大きく変動します。乳製品工場では乳脂肪やカゼインなどのタンパク質、醸造工場では糖類や酵母、食肉加工工場では血液や脂肪分などが主な発泡原因物質となります。
季節要因に起因する負荷変動季節的な生産変動も大きく、夏季の飲料製造増産期や年末の加工食品製造繁忙期には、排水負荷の急激な増加により微生物相のバランスが崩れ、発泡トラブルが発生しやすくなります。
化学・製薬工場では、製造品目の切り替えや洗浄工程により、排水性状が断続的に変化します。有機溶剤、中間体、副生成物などが排水に混入し、これらが界面活性作用を持つため、示すことで発泡を引き起こします。
また、製造工程で使用される乳化剤や分散剤、安定剤などの添加剤も発泡の原因となります。とくにバッチ生産方式の工場では、工程切り替え時の洗浄排水により一時的に高濃度の界面活性物質が流入することがあります。
紙・パルプ工場では、製紙工程で使用される各種薬品(サイズ剤、紙力増強剤、消泡剤など)や、古紙再生工程での脱インキ剤が排水に混入します。これらの薬品の多くは界面活性作用を持ち、排水処理施設での発泡原因となります。
また木材由来のリグニンやヘミセルロースなどの難分解性有機物も、微生物処理過程で発泡を助長する要因となります。季節的には、夏季の高温期に過剰活性または抑制により、微生物活性が変化し、発泡しやすくなる傾向があります。
排水処理施設における発泡現象は、単なる見た目の問題ではなく、処理機能の低下や環境基準の逸脱など、施設運転に深刻な影響を与えます。
発泡により曝気槽の液面が上昇すると、槽の有効容積が減少し、実質的な滞留時間が短くなります。結果として処理能力が低下し、処理水質の悪化につながります。また、泡の除去作業に時間と労力を要するため、運転管理の効率も大幅に低下します。
激しい発泡が発生すると、曝気効率が低下し、溶存酸素(DO)の維持が困難になることもあります。好気性微生物の活性低下により、BODやCODの除去率が低下し、処理水質基準を満たせなくなるリスクが高まります。
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排水処理施設における発泡は、さまざまな設備トラブルの原因となります。具体的には以下のような問題が発生します。
これらの設備トラブルは、緊急対応や設備更新のコスト増加だけでなく、処理の停止による法令違反のリスクも伴います。
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激しい発泡は配管の閉塞やポンプの空運転を引き起こし、設備の故障につながります。また、泡のオーバーフローによる周辺設備の汚染も深刻な問題となります。
水処理施設では、発泡により処理水質が悪化し、放流基準を満たせなくなる可能性があります。また、泡の飛散による周辺環境の汚染や悪臭苦情といった近隣環境への影響リスクも伴います悪臭の発生も懸念されます(参考:環境省「悪臭防止法の概要」)。
発泡現象への対応は、大きく分けて「発生した泡を除去する」消泡と、「泡の発生を防ぐ」防泡という2つの方向性があります。
発生してしまった泡を迅速に除去する手段として、消泡剤の使用が一般的です。用途に応じた使い分けが重要となります。
薬剤を使用しない物理的な消泡方法も効果的です。
根本的な対策として、発泡を防ぐプロセス改善が重要です。
流入条件の管理では、油脂分や界面活性剤の流入を制限することで発泡を防ぎます。前処理設備の設置や、排出源での管理強化が効果的です。
運転条件の最適化により、発泡しにくい条件を維持します。曝気量の調整、SRT(汚泥滞留時間)の管理、温度管理などが重要となります。
設備の改良では、泡が発生しにくい構造への変更や、消泡機能を持つ設備の導入を検討します。
発泡対策を効果的に実施するためには、現場での発泡状況を定量的に把握し、継続的にモニタリングすることが重要です。
泡の発生しやすさや消えにくさを把握するには、定量評価が欠かせません。発泡性評価には、標準的な試験方法として以下のようなものがあります。
循環式発泡試験は、実際の使用条件に近い状態で発泡性を評価する方法で、実用的なデータが得られます。
<循環式発泡試験(リサーキュレーション法)>
循環ポンプを用いて泡立ちを再現することで、実環境に近い状態で評価可能です。主に以下の項目を測定します。
発泡対策の第一歩は、日常的な目視による泡の状況確認です。専用センサーを設置していない現場でも、適切な目視観察と記録により、異常の早期発見と対策効果の確認が可能です。
無臭元は、60年以上にわたる水処理薬剤の開発・製造・導入で培った技術を活かし、発泡現象対策も含めた総合的な排水処理対策のソリューションを提供しています。水処理施設での発泡対策では、即効性のある消泡剤の活用や、活性微生物製剤を用いた微生物相の改善アプローチなど緊急性や施設の特性といったお客さまごとに固有のご事情に応じて最適な対策をご提案しています。
たとえば、「無臭元UNI-500」は、し尿硝化脱窒素処理専用に開発された活性微生物製剤です。有用細菌の保持・増殖を促進し、単位汚泥量あたりの硝化脱窒活性を高めることで、以下の効果を実現します。
また、併用製品の「無臭元セパレM-1」は、有用微生物増殖促進培地として機能し、相乗効果を発揮します。不活性な浄化槽汚泥の分解を促進し、還元条件下でも脱窒を支えることで、発泡の一因となるBODの蓄積を防ぎます。
これらの製剤は、単なる泡の抑制にとどまらず、処理プロセスの全体最適を図るための手段です。現場の状態に応じた添加設計や、定着状況のモニタリングを含め、無臭元が一貫してサポートいたします。
発泡対策でお困りの際は、ぜひ無臭元にご相談ください。
発泡現象は、処理能力の低下や再利用水としての状態不良、さらには放流水の基準逸脱や周辺環境への影響など、現場の安定運用に深刻な支障をもたらす恐れがあります。
無臭元では、長年の経験と実績に基づいた専門的なアドバイスで、お客さまの発泡トラブルを解決に導きます。
まずは現場の状況をお聞かせください。泡の発生状況や頻度、規模、これまでの対策内容など、どんな些細な情報でも構いません。経験豊富なスタッフが、お客さまの立場に立って最適な解決策を一緒に考えます。
薬剤の選定だけでなく、薬剤の効果的な運用方法の提案や運転管理の改善提案など、総合的なサポートで発泡トラブルの解決を目指します。
発泡トラブルでお困りの際は、ぜひ無臭元にご相談ください。